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あなたに会えて

えー、どうも。新年初SS掲載です!!
新年初SSだけはリリカルなのは関係で出したかったのです。
だからこんなに遅くなってしまったというか……

さらにオリキャラ(しかも借りたキャラ)が混じってしまうのでそういうのが苦手な方はごめんなさいm(__)m

ちなみに借りたキャラはなんと!
「レキの執行部屋」のレキ・ジェハード君です!
管理人のレキさんとは多大なお付き合いをさせていただいてます。はい
ちなみにここまでの経緯を語ると、「きっかけ」がありましてそれで交換SSをしようじゃないかという流れになったわけです。(半ば僕が勝手に進めた感じでした、乗ってくださってありがとうございます)
交換SSの中身としてはレキ君とクイントさんの甘酸っぱい感じ? になっております。
シリアス目?
近々レキさんは新しくレキ君編を書くと言ってらっしゃいました。レキさんは一週間に一本は書いている方ですからね、更新スピードが速いの何の。
まねしたいなぁorz
それにラストはかなり、それも誰も見たことが無いような熱い展開を! と言っていました。
期待するしかないですね。

それではSS、いってみましょう




ここは、どこだっただろう……
そう思うほどにぎやかでありふれた街の一角。
眼前に広がるのは人が急ぎ足にすれ違う様ばかり。
そんな中、目についたのは若い男が女性の手を引いて歩く姿。

「どこかで見たような……?」

ひっかかりを覚えて記憶を探る青年。
青年はかつて時空管理局に属していた魔導士であり、今ではバー『Devil Tear』の店長と嘱託魔導士の二足のわらじを履いている。
だが普段と比べるとあまりにもふぬけた感覚が青年を包んでいた。
故に後ろから近寄る気配にも気づいていなかった。

「レキくん、なーにしてんの!」

背中を小突かれ、レキと呼ばれた青年は二、三歩つまづきながら前に出る。
驚きの表情を浮かべながら振り返った先には、ほどいたならば腰までありそうなすみれ色の髪を後頭部のてっぺんでくくった快活さがにじみ出ている女性。
その人が作る表情はにっこりと擬音が付きそうなほどいじわるな、でもかわいらしさが有り余るほどの満面の笑み。

「クイント、さん?」
「どうしたの? らしくないよ?」

言い知れない違和感がレキにまとわりついていたが片眉を器用に上げたクイントに鼻をつつかれ、我に帰った。
クイントとは短い付き合いではないが、たびたびこんなことをされてしまうたびに驚いている。
元は首都防衛隊で一緒だったという縁だ。
放心していたレキは自分の状態に恥ずかしさを覚え、顔を赤くして後ずさる。
しかしあちこちを行き交う通行人の異様な力にぶつかってすぐに押し戻されてしまい、気まずさに顔を下げていた。
だが、唐突に表れた記憶によって弾かれるように顔を上げた。

「思い出してくれた? 今日はレキ君が一日貸してくださいって誘ったんでしょ。ほら、しっかり!」

そう、たしかにレキが約束をふっかけたのだ。
一年に一度、嘱託魔導士としての継続手続きの書類を持って本局へと出向いた際、偶然に後ろ姿を見つけて声をかけたのだ。
軽い話から始まり、いざ誘うとなった時の緊張たるや冷や汗でシャツがだめになるほどだった。
そんなことを思い出して緊張が苦笑いに変わったレキ。
しかしそれを隠すと、かろうじて自信が伺える笑いを浮かべた。

「へっ、もちろん!」

威勢のいい声に破顔したクイントは手を差しのべる。
それはエスコートされる女性のしぐさ。
レキはその手をがっちりとつかんだ。

二度と離さないと言うように……

人混みを踊るように抜ける二人。
さすがに何本も通りをずらせば人が減る。
大通りを避けて手を引き続けるレキが向かっていたのはデザートショップ『Which sweets?』
依然、特集とまではいかないが女性向け雑誌に顔を出していた店である。
ちなみにレキは店長として人づてに聞いたということを記しておく。

「へぇ、こんなお店知ってるんだ」
「俺だって穴場のひとつやふたつ知ってますよ」

足早に歩くクイントは局員といえどさすが女性と言ったところだろうか、興味津々である。
この店のおすすめはアイス。
もちろんただのアイスではない。
一階はデザートショップ、二階を喫茶店として作られている『Which sweets?』ならではの新鮮な果物を混ぜ込んだ様々なアイス。
市販のカップアイス等とは比べ物にならない芳醇な香りにわずかに残る果物の繊維のシャリシャリとした感覚が売りだ。

「ん~、たまにはこういうのもいいね♪」
「そうですか。俺としては喜んでもらえたみたいで何よりです」

二階の喫茶店部分に移動した二人の机にはクイント側に皿に乗った桃のアイスとカフェオレ、そしてレキにはブラックのコーヒー。
アイスを食べるクイントは眉尻を下げて幸せそうだ。
黙っているだけでも目を引く美しさを持った人の笑顔というのはどうしてこうも輝いて見えるのだろうか。
アイスを運んだスプーンを口にくわえたままクイントが肘をついて困ったように笑う。

「なぁんでレキ君は甘いのが苦手かね?」
「そうですねぇ……」

レキはあごに手を当てて考えてみるがいまいち思い当たる節がないのか曖昧な顔を作る。
それを見たクイントは一口分のアイスをスプーンに乗せる。

「それなら食べてみなよ、ほら」
「いや、いいですよ」

やんわりと断るレキの口元にスプーンを伸ばすクイント。
またにやにやといたずらっぽく笑っているが、この顔をされてしまうとクイントの願いをレキは断れたためしがない。
そう、自分がどうしても食べたくない甘いものでも、だ。
それが惚れた男の弱みだろう。

「……わかりましたよ」

だが、実際は間接キスであったり、あーんであったりで顔が火照っている。

「どうしたのかな? 顔が赤いよ」
「……気のせいです」

一瞬、目を細めたレキだったが、生唾を飲み込むと目の前にあるスプーンをくわえた。
クイントはレキの口の中にスプーンに乗せたアイスをそのまま置いてくるように抜くと、まだ自分の皿の上に残っているアイスを食べ始める。

「それで食べますか……」
「ん?」

驚き半分、呆れ半分といった具合に言った言葉だったが、何とはなしにクイントに返されてしまうと、小さいことにこだわった自分が恥ずかしくなったようだ。
苦し紛れにコーヒーの入ったカップを持つとあさっての方を向いて飲み始める。

「……なんでもないです」

レキは何の面白みも無い窓の方をにらんでいたが、クイントはそれを嗜めるでもなく、ただただ微笑んでいた。

「さて、お次はどこかな?」
「えーっと……」

正直なことを言えばレキは次を考えていなかった。
ただこの店のアイスは外せないと考えていたせいである。
ここだけは聞いた当初からクイントと食べに来れたらと思っていた。

「よし、行くところがないなら私について来てもらおうかな」

そこからはクイントが先頭になってレキを引っ張り回した。
洋服屋にアクセサリー店、公園で買い食い。
よっぽどクイントの方がこの町を理解していたことにはレキも苦笑いを浮かべるしかない。
だがにぎやかで、彼女と見る景色は楽しく美しい。
だが、どこか空虚で実感が無い。
最初の疑問に考えたくは無かった冷たい答えがレキの頭をかすめる。

「レキ君、最後は君のお店がいいな」

日も隠れ始めて赤くなった空。
彼女の笑顔も赤く照らされている。
美しくも悲しげに。
二人は交わす言葉も少なくレキの店、『Devil Tear』へと向かう。
店はもちろん開いているわけは無く、レキの持っている鍵で店側の入り口から入った。
カウンターの入って四番目、真ん中のイスにクイントを座らせるとレキは自分の定位置の、向かい側へと入る。

「さて、何をお出ししましょうか。お客様?」

笑顔を顔に張っていつものように振舞ってみるがどうやら不興のようだ。苦い顔をしている。
仕方が無いので第二の手を使う。

「それじゃ、こいつでどうでしょうか」

蔵の奥で見つけた謎のお酒。
ラベルもなく、コルクは締まっているにしても若干古ぼけた印象を受ける。
昨日の夜に見つけて、試しに二人で飲むのもまた楽しみだとカウンターの下に隠しておいていたのだ。

「ふーん、なかなか洒落たお酒を引っ張り出したわね」
「え? 何か書いてますか?」
「あぁ、読めないなら別にいいのよ」

気にしないで、と付け足すとグラスを差し出すクイント。
カウンター越しのレキはいつも通りにワインオープナーをコルクに突き立てる。

「レキ君は……」

いきなり名前を呼ばれたレキはボトルを開けるのを途中で止め、クイントに向き直る。
それをみて悲しそうに微笑むと彼女は二の句を紡ぐ。

「レキ君はどこまで気づいてたかな?」

クイントが眉尻を下げながら笑うのは見飽きていた。
二人で回っているときに自分が見ていないところではたびたびそんな顔をしていた。
見られないだろうと思っていたのだろうが、レキはずっと見ていた。
これでも死神と呼ばれた種族だ。

「まあ、うすうすは」

レキは小さく返事をしてコルク抜きに意識を戻す。
しかしクイントはまだ空っぽのグラスを持ち上げて店内の照明の光に透かす。

「今日はさ、楽しかったよ。けど、忘れちゃうんだろうね」

楽しいことというのは短い。
短いがゆえに忘れてしまうこともある。
それにレキの予想が当たっているなら覚えていることもあるだろうが、そんなものは"まれ"だ。
どうしても運に頼るしかない。
そして運命を操ることなんてあの男を除けばできるわけがない。
寂しげにたたずむクイントはグラスを置いてテーブルにしなだれる。

「ここは、何か言ってほしいんだけどな?」

クイントが自嘲気味に笑って起き上がり、間を突いてレキがグラスに氷を入れる。
小さく困ったように笑いながら氷の入ったグラスをまた持ち上げてカラカラと回す。
レキの言葉を待っているのは明らかなのにどこかふわふわとさまよっているようにクイントは中空に視線をさまよわせている。
気の利いた言葉でもかけられればいい。
だが、何を言えばいいかなんてことは今までも考えていたがよくわからない。
レキはこれでいいのだと自分を納得させていつもどおりの言葉を吐く。

「最後に一杯、どうです?」

レキは精一杯の気持ちを込めてつぶやいた。
それでよかったかはわからない。
だがクイントは一度目を丸くするとそのまま顔の筋肉を緩める。いつもどおりのやわらかい顔だ。
二度目の別れはきっと、これでいいんだろう。

「ふふっ、それじゃいただこうかしら」

名もないボトルを持ち上げて栓を抜くと、温かくもどこか儚げに思える香りが広がり、レキを包む。
そしていつも柔らかく笑っている人が持つグラスへとそのボトルを傾けた。



――――――――――
「っ、あ?」

布団に仰向けになったレキ。
いつもと同じく起床は7時。
いつもとなんら変わらぬ朝だ。
強いて言うならばただ日付が1月1日を指していること。
なぜいつもの営業時間に合わせておきているかといえば常連さんの要望である。
なんでも新年会で疲れたところに店の酒を飲みたいんだとか。
なんとも無茶を言う。
その準備にあわせてこの時間に起きたのだが、なぜか目からは液体が流れ落ちている。
とくに信心深いわけでもないレキだが、初夢ぐらいは信じているのだ。
それが涙を流すような夢だったと考えるのはあまりいいものではない。

「わけわかんねぇ……」

結局、不思議に思いながらもレキは涙をぬぐって起き上がった。
それと同時に訪問者のベルが鳴る。

「はーい、ちょっと待ってくださーい」

聞こえるかはわからないがとにかく大きな声を上げていそいそと立ち上がる。
慣れ親しんだ家の中、寝起きながらスムーズに玄関へと足を運ぶ。
扉を開けると包装されたビンを小脇に抱えた配達員風の男が立っていた。

「明けましておめでとうございます。はんこかサイン頂きたいんですが」

印鑑があることはあるが取りに戻るのはいささか面倒であり、配達員がペンを差し出してきたので簡単にサインをして済ませた。
もちろん新年のあいさつも忘れてはいない。
「ありがとうございましたー」と会釈をして出ていく配達員から荷物を受けとると大事に抱えてカウンターへ。
その道の途中、少しこのボトルについて考えてみた。
なぜ買ったのか。どんな銘柄だったのか。
どうしてだか思い出せない。
カウンターに着くとボトルを置いて包装を剥がす。
『Blume von Idealwelt』
理想郷の花という名のワイン。

「あー、新年の最初はこれで添えようかって思ってたんだっけな」

一目惚れで買ったもので味も香りも知りはしない。
少し思い出して恥ずかしくなったのかボトルと顔を見合わせるレキ。
こうしていても”らち”が明かないのでワインオープナーをコルクに突き立てる。

「ん?」

既視感を覚えたレキは一瞬躊躇するがそのままコルクを引っこ抜く。
温かくもどこか儚げで、穏やかだが悲しそうな、柔らかく笑うあの人の様な香りだ。

「あぁ、そうか……」

おもむろにグラスを二つ棚から出すと、ひとつは手に、もうひとつは対面のカウンターの真ん中へと置く。
そしてやわらかく笑いながら自分のグラスと持ち主が置いていったグラスへとそのボトルを傾けた。

「まったく、貴女って人は……」

どこまでも素直で、無邪気な彼女へと年の初め、小さく乾杯を交わした。
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