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あい、ふたつめ

今度はリリカルなのは~

からの

はやふぇい? で、ねがいまする~

1時間と銘打っておきながら1時間半っていう哀しさorz ふぇいはや


学校の廊下、管理局から帰ってきた。
緊急の呼び出しだった割にはあっという間に終わる部類の仕事で、昼休みに飛びだしたものの、5時間目の真っ最中に帰された。
屋上から戻ってきているうちにすれ違った人はいない。
むしろそれが当然なのだ。
生徒は教室で先生から授業を受け、先生は生徒に授業を教える。
この二種類くらいの人間しか学校という場には存在しないわけで、それは機械のように決まったことの繰り返し。
はじめは自分が集団行動の輪を乱している気がして楽しく思ったこともあったが、それも最初ばかりで今となってはみんなの邪魔にならないように邪魔にならないようにと思うことが多くなった。

「なぁ」
「……」

後ろを歩く人は別にそうでもないらしい。
まるで休み時間に話しかけるみたいに気安く声をかけてきた。

「なぁなぁ」
「………」

屋上から階段を下りて廊下を歩く。
ここまでもったことをほめるべきなのか、それともここまでしか黙っていられないことを悲しむべきなのか。それとも怒るべきなのか。

「なあって言うてるやんか、返事してーな~」
「…………なに?」

依然、学校の雰囲気を重視する私は短く、かつ聞こえるかどうかの声で言葉を返す。
少しイライラしているのかもしれない。
わざわざ管理局に出向いたのに、することが犯人を一人捕まえるだけだったんだから。
重要な仕事だったんだから仕方ないとはいえ、それでも少し、納得がいかないところもある。
いくら連絡が着きやすい執務官といってもそう易々と呼び出しに応じられるほど学校の方をおろそかにはしたくないし、それに暗黙の了解で見逃してもらってはいるが携帯だってあまり大っぴらに使えたものではない。
そういった集団生活をする人間として最低限のルールは守りたいわけで、それにたしか管理局側からも学校の時間はあまり連絡をよこさないようにすると言っていたはずだ。
それがこうも無下にされるとなってはイラついてしまうのも少しは納得いただけただろうか。

「なんや、歩くの速いってば」

だから、こういうちょっとした言葉にもカチンとくる。

「別に、合わせることないよ」

やつ当たりってわかっているのに、どうしても言葉がするりと出てくれない。
相手を怒らせてしまうようなイガイガした言葉が無意識に胸から吐き出されていく。
悪いという気持ちも不思議と今だけはわいてこない。
ひっかかるところはある。
けれど、それが明確には出てこない。

「別に大事なくて早く終わったんやからそない怒らんでもええやん~」

関西なまりの柔らかい声も、なぜか耳に触る。
いつもならそよ風のように流れていく音が耳にまとわりつくようでうっとおしい。
言葉をかけるよりも黙っていてくれた方がありがたいと、思ってしまう。
後ろからついてくるよりも消えてくれた方がいいと、思ってしまう。

「な、な、今授業中やん」

追いついてきて肩を掴んだこの手が、ひどく邪魔で、易い気がして振り払いたくなる。
その指を触れさせるな。
押さえつけるな。
握るな。
力を入れるな。
体温を伝わすな。
押すな。
引くな。
近くに立つな。
入ってくるな。

「ちょお、あそこら辺で休憩しよ」
「……え?」

空白。

「ほら、いっつもみんなでごはん食べてるあそこよ」

そう言うと強引に彼女は私を引っ張っていく。
苛立ちを覚え、癇に障るほどだが、それがなぜか口から出ることはない。
引っ張られるだけ引っ張られて、すでにその場所へと入っていた。

「ん~、すずしい。空気がうまい!」

校舎の屋上には違いないものの、階の低い屋上とでも言うべきか、地面よりもずいぶんと空に近い場所。
私を解放した彼女は雲が広がってばかりの薄暗い空に向かってあらん限りに腕を伸ばす。
その際に裾を引っ張りすぎて首がなくなっているが、笑わずにおく。

「みんな、授業中だよ」
「ん、気にせん気にせん」

置いてある広場のベンチに腰掛けて、私が来るのを待つように一人分のスペースを開けてバランス悪く待っている。
私は座りたくも何でもないが、さすがに誘われていることくらいはわかる。
しっかりと開けられているスペースに嵌まるように、座ってやった。

「少しは、気にしないの」

そんなわかりきった質問。
考えないわけがない。
彼女は誰よりも思慮深くて、辛いことと向き合って来て、誰よりも哀しいことを知っているんだから。

「別に気にしたところで、わたしらが戻って気まずくなってしまうんやったら休み時間を待った方がええやん?」

それは、たしかに思うところもある。
扉を開けただけで一斉にそちらを向く集団の視線というのは負担であり、恐怖でさえある。

「それに、少しは休んだ方がよさそうやし」
「……」

何も言えない。
この気持ちを言葉にして、うまく、滑らかに伝えられる気がしないから。
そう思っていた時だった。

「よっ、と」
「なっ、何、してるの……?」

彼女の顔が下から見上げていた。
横になって。
入り込んで。
気づかぬうちに、こっちを見ていた。
隣にいた気がしたのに、いつの間にか頭は私の膝の上。
しかもベンチの長さを生かしたのか、小さい体はちゃんと収まっている。

「何って、そりゃきゅーけーやけど?」
「そんなのわたしの膝を使わなくたっていいでしょ」

別に少し背中を丸めでもすれば大丈夫なはず。
どうして膝に頭を乗せる必要があるのか。
むしろどうして頭を乗せられなければならないのか。
Please tell me why?

「そんな、きもちいいからやし」
「私は気持ちよくない」
「まあまあ」

何が「まあまあ」なんだか。
なだめられてる気がしない。
というか図々しいにもほどがあると思うのだけれど。
親しき仲にも礼儀ありって言葉もあるわけで、いきなりこんなことをするのはどうかと思うわけで。

「フェイトちゃんはゆっくり空でも眺める時間が必要なんやって」

たしかに、彼女の憎たらしい顔を見るよりも空でも見て雲の流れを見ていた方が数倍いい。
何も考えず、膝の重さを感じて、流れる雲の白さと空の青さの境目を探して。
どれほどになっただろうか。
次から次へと流れる雲の一行を跳びながら眺めていると、5時間目終了のチャイムが流れた。

「あ、そんな時間、か……」

幾分ぼーっとしていたせいか、奥底の苦しい何かしらが雲が流れるように流れて消えていた。
怒りだったのか、焦りだったのか、悔いだったのか。
とりあえずそこのところの何かしらだろう。
すっきりした割にまどろんでいるまぶたをこする。

「すくー……」

膝の上の彼女を思い出した。
この声は、寝ているのだろう。
人の膝の上に頭を乗せるどころか寝てしまうなど、言語道断と言いたいが、もう少しくらい寝かせてやっていてもいい気にはなる。
どうせ6時間目はまだ始らない。
まだ雲を眺めていてもいいだろう。

キーンコーンカーンコーン

「うぇっ?」

聞き間違うわけのないチャイムの音。
スパンとしては早い気がするが、順番としてみれば今のは間違いなく6時間目開始の合図を知らせるチャイム。

「ちょっと、はやて、起きて、起きてってば!」
「ん~、もちょい、あと2分でええんよ~……」
「2分もしたら授業始まっちゃうって、起きて、はやて~っ!」

再び聞こえてきた電子音のチャイムは、ふたりのいい目覚ましだった。
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