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ある1日のある家でのある出会い

さて、挨拶も終わりまして載せていこうかと思います。
一応これから数回は今まで書いたものを載せるので一定のペースになると思います。
ちなみに連載したりしますが終わってるものはあんまりありません。(一話で終わりってのが多いかな)

今回載せるのは一次創作の初めてのものですね。
感慨深いというかなんというか。
ちょろっと「…」を付け加えたり改行を直したりの修正ですのでほとんど元のまんまです。
では追記からどうぞ




 一日の始まりの瞬間、これほど大切なものはない。
 一日を全て楽しめるのは寝起きが最高によかった時だけだと言える。
 なぜならどんなにいつもどおりな日であっても楽しいものにすることが簡単だからである。
 むしろそんな日が楽しくないはずがない。
 起きれば弾むように行動を開始し、一日も弾んだものになる。
 さて、これから始まる非日常な一日の始まりとはどんな始まりだろうか……?



 嗅ぎなれない匂いに質感の違うベッド。
 新品のようなさっぱりした匂いではなく誰かが使っているようにほんのりと感じられる汗の匂い。
 それがなんとなく心地いい。
 ゆっくりとベッドの中で体を動かす。
 自分の体温で温まっているシーツと自分を軟らかく包んでいる掛け布団がずれて、ひんやりとした部分が肌に触れてくる。
 そのことで眠気をごまかしてからゆっくりと目を開けた。
 薄いピンク色の天井が目の中に返ってくるだけである。

(あれ……ここ、どこだろ?)

 知らないことを一人で考えても答えが出ないことは知っている。
 情報を集めようと寝っ転がりながら部屋全体に目を向ける。
 全体がうっすらとピンク色をした壁紙の部屋で内側に開く扉、クローゼット、机、タンス、ぬいぐるみ、そしてなんでかわからないけど紅茶のポットがぱっと目についた。

(紅茶が好きな子の部屋……?)

寝ぼけた頭で考えていると扉の外から足音が聞こえてきた。
とたとた走ってくるような軽い足音が聞こえる。
 リズムが崩れたかと思うと少し大きな音がした。

(大丈夫かな……? もしかしてこの部屋に入ってくるのかも……)

 念のために扉に背中を向けて寝たふりをしておく。
体を半回転した瞬間よりも、わずかばかり遅くドアノブが回され、ゆっくりと、音を立てないことを意識したことが感じられるように扉が開いた。
きっと何か忘れ物でもしたんだろうな。そう高をくくって寝たふりをしていた。
だけど入ってきた子は机をまわって、ベッドの横に座ったようだ。
 ここら辺は足音で判断しているからあってるかどうかはわからないけどね。
いつばれるかわからない状況に心臓が叩くリズムが速くなったような気がする。
同時に今までに感じたことがない、おかしな感覚に気づいた。
腰から、いや尾てい骨の先から伸びていて勝手に動いているものの感覚がある。
本来人は捨てたと言われるそれ。
自分の意思を感じとり勝手に動く『それ』が布団の内側で元気にはしゃいでいる。
 それと布団とがこすれることで顔を紅潮させようとしてくる。
 くすぐったいようなむずがゆいようなこそばゆい感覚、ときどき背中がピクリと反応しそうで怖い。
しかし、それが顔には出ないようにとがんばっていた。

(おかしな気分になりそう……)

 いじわるなことに耳までがピクピクと動く。
 動いた耳を押さえて隠したい衝動に刈られたが身じろぎすることでなんとか抑えられた。
人の耳に動くという機能は付いていないはず、それに耳がある場所からはずいぶん上にずれたところが動いた気がする。
たぶん気のせい、そしてわたしはまだ夢のなかにいるんだ、そう信じようとしている中、隣に座った子の手がわたしの耳に触った。

「……ひにゃっ!」

 一瞬背筋に電気のようなものが走った。
 無意識にパタパタと耳が動き、手が離れたのだが顔が熱い。
 だけど声は結構押し殺せたはず……
 次はダメかも……
わたしは耳に触られるのは弱い、他にもいろいろと弱いところはあるけどそこら辺は割愛させてもらいたい。

「……ホントに、猫みたい」

 声からしてこの子は女の子らしい。
 気づいていないみたいだしよしとする。
 驚きと楽しさが混ざった声、そんな声とは裏腹に爆弾のような言葉。

―――猫みたい?

今のわたしの状況を的確に表しているのがこのことばなんだろうか。

(要するに今付いてる耳はネコミミ、尾てい骨から伸びているのはしっぽ…まさかね……)

そんなことを思っているとまた女の子の手が耳に触れた。
 さっきは耳の尖った部分を軽く触ったけど、今度は内側を撫でるように触ってくる。

「ふにゃっ、ぁん……」

 変な声が出てしまった。
 それのせいでまた顔が熱い。
 だけど耳から手を引いてくれた。
 ことさらに布団の中のしっぽらしきものが這いずり回るようによく動いている。
 寝たふりはなんとかできていると思うけど、しっぽらしきものが自分の意思で操作できない。

(と、止まってよ~!!)

 どうにかしようとするがどうにもできない。
 しっぽが布団から顔を出した。
 こんなときに正直に赤く染まる自分の顔が憎い。

「ひょっとして、起きてるの……?」

 びくついた声で探るように話す女の子はある意味で反則な気がする。
 もはや隠しきれないのはわかりきってる。
 下手に触られる前に体を女の子の方に向ける。

「……うん」

 恥ずかしさから、顔が赤くなっているのがわかる。
 布団を被りたいくらいに恥ずかしいのだが女の子が肩の辺りに手をついていて口元を隠す程度までしか上げられない。

「ところで、ここ、どこにゃの?」

 時間の流れが止まった。
 女の子はきょとんとしてわたしを見ている。
 何かおかしなことを言ったかな……?

「か、」
「か?」
「かわいい~♪」

 少し顔を弛ませたかと思ったら更にゆんる~い顔に変わって、いきなり抱きついてきた。
 なんとか離れさせようとしてみるけど力が入らない。
 なんで寝てたのかなんとなくだけどわかった気がした。

「し、質問に答えてください」
「あ、それもそうだね。ここはね、ユズの部屋だよ」

 驚いて赤くなりながらだけどなんとか離れてくれてよかった。
 なごやかになる笑顔で言ってくれたのは嬉しいのだけど、ちょっとわかりづらい。
 一旦名前を聞いてみようか。

「えと、あにゃたのにゃまえは?」
「……」

 自分も相当わかりづらかった。
 それよりどうしたんだろう、ユズの目がぎらついているようだけど……

「あの……」
「えっ、あ、名前だよね。わたしの名前は、橘 ユズ(タチバナ ユズ) ユズって呼んでくれてかまわないからね」

 小首をかしげながらユズがやわらかい笑顔で自己紹介をしてくれた。
 どうやらここはこの子の部屋らしい。
 明るくて周りをなごませるような笑顔と、名前のとおりの柚子を搾ったみたいなオレンジ色でつやのある長い髪がすごく映える。
 この子の髪は後ろの先の方が少しウェーブがかかっているけど後ろにまわりきらない横の髪はさらさらのストレートでそれぞれ先の方をひもか何かでまとめている。
 胸の辺りのまとまった髪がゆれる度に触りたくなってうずうずする。

「え~と、ユズさん」
「ユズ!」

 初対面で呼び捨てって、なんとなく恥ずかしい。
 だけどそう呼ぶように言われたし、どうしよう……
 ユズが期待の眼差しでわたしを見ている……
 わたしは覚悟を決めた。

「~~~っ! ユズ、他にも聞きたいことがあるんだけど、い、いいかにゃぁ?」

 恥ずかしくて顔から火が出そう……
 ただ名前を呼ぶだけなのにこんなに疲れたのはずいぶん久しぶりな気がする。
 話しながらそんなことを思っていた。

「うん、いいよ♪ ツバサちゃん」

 あれ?
 名前、言ってたかな?
 質問してもいいって言ってくれたし、順番違うけど早速聞いてみよう。

「じゃ、じゃあ、にゃんでわたしのにゃまえ知ってるの?」
「……それはね、」

 ユズの目がとろんとして、ゆっくりとわたしの顔の方に手が伸びてくる。

「ユ、ユズ!?」

 わたしは体がこわばるのを感じてユズの手から顔を遠ざけた。
 彼女の手はそこで止まり、無理に追ってくることはない。
 止まった手は優しく「おいで」と言っているような雰囲気を出している。
 ユズは和やかな笑顔を向けているし、手の雰囲気もわたしを誘惑してくる。

(……ちょっとだけ触ってみようかな)

 なんとなくさっきと同じことになりそうだと思ったがわたしは、仕方なく、ほんとに仕方なくだから。と自分に言い訳をし、ユズの手におっかなびっくりで手を伸ばす。
 手と手が触れる。
 予想通り、あったかい。
 そう感じると自然と体がユズの手に引き寄せられた。
 顔を手に近づけ、目をつぶってほおずりをする。

(あったかくてきもちいいにゃ~)

 自分でもなんでいきなりほおずりをしているかよくわかってなかったけど、とにかく今はこのきもちよさを堪能することにした。
 くすぐったそうにユズも顔をほころばせている。
 ときどきのどにユズの指が伸びてさすってくる。

(~~~♪)

 くすぐったいようなむずかゆいような不思議な気持ち。
 がまんなんてできないし、だからといってどうしていいかもわからない。
 どうしたのかユズの手をベッドに押し付けるようにじゃれていた。
 ただ振り回されてるだけって言うとそれまでだけど、そんな気持ちでいっぱいになってるのはずいぶんと心地いい。
 いっそユズに抱きついちゃおうかと思ったときに、いつの間に近づいていたのかユズの顔がすごく近いところにあった。
 そしてそのまま―――

「ふみゃう?」

―――顔の前を通り、

ぱたん

かわいらしい音を立ててベッドに倒れ込んだ。

「はにゃ、ユズ!?」

 急にわたしのひざのうえに倒れたユズにびっくりして体がこわばる。

(…あ、えーと、えーと、固まってないでなんとかしないと)

 肩を軽く揺すって反応を見てみる。

「……すー…すー」

 ゆっくりと寝息が聞こえる。
 なんだかわからないけど寝ちゃったみたい……

(よかった……)

 うつ伏せで眠っているユズがなんとなくしあわせそうに見える。
 気持ちのよさそうな顔で眠られるとついつい見とれてしまう。
 でも、なんだかまぶたが重い。
 目の前がどんどんぼやけて暗くなっていく。
 もうちょっと見ていたいけどこの重さには逆らえる気がしない。
 あったかかった手にゆっくりとまた手を乗せて、握った。
 とっぷりと暗闇に包まれたときには柔らかな柑橘の匂いがわたしを包んでいた。

―――にゃん娘と彼女の生活日記―――
~~ある1日のある家でのある出会い~~
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