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エア夏コミ2日目

2日目でしたねー

今日も暑かったらしいですねー

と、いうわけで
エア夏コミ2日目!

今回はあんまり扱われてないかもなカプ!

はや×カリで『今日という日』です

では続きからどうぞ~



本日、聖王生誕記念日。
この日は管理局が公的に定めた、聖王オリヴィエ生誕にかこつけた祝日である。
聖王が生まれたのは先史と呼ばれる時代の話であり、そんな昔の人を祝ったところで誰が喜ぶというものでもない。
だが宗教の関係上、見過ごすことのできない規模の人間がそれを認知していることから管理局がしぶしぶ認めているのだ。
と、以前に考えていた少女が一人。
宗教の総本山とも言えるだろう聖幸教会に、毛嫌いされている茶色の制服を身にまといつつ、すれ違うシスターとへらっとあいさつなど交わして言葉を弾ませる場違いな少女。
少女の目的は届け物。シスターと会話を楽しむことではない。目的を思い出すと、彼女は談笑を切り上げ、去り際にウィンクをしつつ、片手に持っていた紙皿の上のひとつをいたずらめかして相手の口にやさしく放りこむ。
相手が迂闊にも蕩けてしまったことには目もくれず、ひょうひょうと目的の部屋の前に到着した。
細かく彫刻された重厚な扉へとノックを3回。
返事がかすかに聞こえる。といっても防音設備がいいのか声が小さい。
しかし気にしても仕方がないのでウェイターよろしく扉をあける。
「どもー、焼き鳥お届けにあがりましたー」
ちょっとしたパーティならこの場ででも開けそうな広さ。そこに机と本棚、それと見たくもない書類の束。
シン、と文字を落とすのもはばかられそうな静かな部屋の中、誰よりもシスター然とした清廉な空気を漂わせながら書類に向かう騎士、カリム・グラシアの姿があった。
「あら、ありがとうセイ……あらあら、これはこれはかわいらしい配達員さんね」
書類から顔をあげたカリムが部屋に入ってきた少女を一瞥。すると予想が違ったらしい。妙な形容詞をつけて言いなおした。
「かわいらしいなんて冗談、よう言えたもんやわ」
片手に紙皿を持った八神はやてが辟易したように笑ってみせる。
実際、かわいらしいなんて年でもないし、第一周りからかわいいなんて言われることなんて、最近ではこの相手からしか言われた憶えがない。
「あら、これは本心なのですけどねぇ」
そう言って笑うカリム。
正直、からかって楽しんでるんやろー。と思わないでもない。あくまで思うだけだが。
はやてはため息をつきながら、持ってきた紙皿に乗っている塩のかかった焼き鳥を一本持ち上げる。
「いつもそーんな裏の読めん顔して笑ってばっかりやと疲れてまうんやないのー?」
机の端に腰を乗せて、もっていた焼き鳥の先をほい、とカリムに差し出す。
一瞬キョトンとしたカリムだったが、微笑んで、手で顔の横の髪を押さえて口をあける。
入れろと言っているのかいないのか、そのまま差し出された先の1つを口の中に入れてみる。
そのまま口を閉じてお上品に手で隠しながら咀嚼するカリム。
彼女の仕草は上品で、動きを小さく抑えたところがある。
手で隠された口はきっと上下に動いているだろうに、注目していなければそれもわからない。
「よく焼けていておいしいですね」
飲み込んでから答えて微笑むカリム。
ただそれが、どうしてか気に食わない。
「はーい、あとはセルフサービスになります」
言って、残った焼き鳥にかぶりついた。
「あら、もう食べさせてはくれないの?」
手を顔に引き寄せてころころ笑うカリムを一瞥。
「セルフサービスやって言ったやろー」
後ろを向きながら焼き鳥をもう一個口に入れるはやて。
視線は焼き鳥を載せた皿に落ちる。
「ふぅん、それじゃ――」
何を思ったのか、カリムが肘掛け付きのイスから立ち上がる。せいぜい腕を伸ばせば届く距離だというのになにも立ち上がることもないだろう。
そう思っていると、カリムは焼き鳥とは逆の向きに最初の歩を出した。
「ちゃんと自分から、いただいてしまおうかしら……?」
胸の前に組んでいた手をほどくとまさしく聖女といった笑顔で一歩一歩はやてに近づいてくる。
もぐ、もぐと焼き鳥をかむペースが緩慢なものになるにつれ、はやては見とれていた自分自身に気づく。それでいて、どこか胸の奥で気に食わない部分が引っ掛かることも。
聖王教会という閉鎖された環境で、最高位の存在として扱われてきた彼女はやはり自分とは別物の存在だと思い知らされるから。誰からも神として崇められ、また同じ側の人間からも尊敬の念を以て、そして畏怖、疎ましさの念を孕んだ対応がされている。一番近い存在であるシャッハからも、親しみはあれど尊敬、義務といった強制的感情が先立つ雰囲気が感じ取れる。
彼女は常に衆目にさらされ、公務に追われ、それでいて相手は作り笑顔で接してくる。そのくせ相手は陰で彼女のことを疎ましく思い口を開く。そんなことが年がら年中ひっきりなしで行われている。
彼女が休める場所などあるのだろうか、自分のように、いつでも帰りを迎えてくれる家族を持っていない彼女に……。

ふと現実に意識を向けると眼前でカリムがやわらかく小首をかしげていた。
吐息がかかるほど、息遣いを感じられるほど、相手の喉に引っ掛かった次の言葉が分かってしまうと錯覚するほど。
「何を、お考えですか?」
カリムの小さな、口紅もしていないくせに艶やかな唇が静かに動く。
「……別に」
ぎこちなく口の中に残っていた焼き鳥を飲み下す。
気のせいか、カリムの言葉のあと、どこか部屋の中が涼しく感じられた。
「なーんでもない。ただなんや、ちょおリズム崩されると思うてただけや」
そう、少し思ってしまっていた。
かわいそうなんじゃないかと、同情めいたことを。
だけど、本当はそうじゃない。
「そうなんですか?」
すっ、と一歩こちらに近寄って、下からのぞいてくる。
このかわいらしい聖女は本当に……。
「そうなんですー」
焼き鳥を食べさせながらなるべく意地悪に聞こえるように言ってやった。


――私は案外、聖王生誕記念日というこの日が……気に入っている。
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