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かくれんぼ、おいしい時間

えっと、時空管理局の涼香さん、リンクしていただけたようでありがたいかぎりですorz


今回は一次創作の方で……
この前の「にゃん娘」の二話です。

はい、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。
リリカルなのは成分は「つくもカップルッ!」で供給しています。





「……うーん、どうしよう」

中二階にある洗面所の鏡に写る自分の顔、見馴れたものだけど今までとは少し違う。
いや、大幅に違う。
耳がある。
いや、普通あるんだけどね。
ただ真っ白で、とんがっていてふわふわで、そう猫みたいな。
浮いてるなぁ。
前はそう思っただろうね。
だって赤茶色の髪だったし。
でも、今は髪の色も変わっちゃって目立たない。
だって、眩しいくらいの白色だもん。
案外きれいな髪でホントにわたしなのかびっくりしたけど。

「それに……この首輪、なんなんだろ」

前面――がどちらかはわからないけど――にわたしの名前が入っている。
“ツバサ”と。
わからずにうんうん唸っているとしっぽが自分も見てくれと言わんばかりにゆらゆらと動いている。

「どうしちゃったのかなぁ、わたし」

ため息まじりにぼやいていると足音がうっすらと聞こえる。
便利な耳である。
そろそろと来た部屋に戻る。
そういえば服がなんだか違う気がする。
たしか白いYシャツ風のシャツと紺色のプリーツスカートを着てたはずだけど今はしつこくはないくらいのオレンジ色、ユズの髪よりもずいぶん薄い。
いや、別にユズの髪はきれいなんだよっ!
それはもうじゃれつきたいくらいに~!

(……着替えさせてくれたのかな)

もやもやとした感じが胸の中に広がる。
想像したわけじゃないんだけど、なんとなく顔が熱くなった。

(耳としっぽが生えた影響なのか、本調子じゃないなぁ)

わたしは部屋に戻って布団に潜り込む。
のんびりそんなことを考えていたんだけど、扉の外から音が聞こえてくる。

(あ、ユズかな♪ ……?)

なんとなく重そうな音がしてる。
前はリズムよく足音が聞こえていた。
だけど今度は少し大きな音でゆっくりしている。

(何か持ってるのかな?)

わたしが軽く体を起こすとユズが急いでお盆を部屋の真ん中にあるテーブルに置いてわたしの顔を覗き込むようにベッドに上がる。

「無理しないで……?」

顔が、近いよ……あんまりまじまじと見られると恥ずかしいよ。

「ぁ、うん、だいじょぶ……」

結果は見ての通り真っ赤な顔でつまりながらの返答。
うぅ、わたしって口べただなぁ、泣きたくなるよ。
わたしが体を起こそうとするとユズはベッドから降りてお盆に乗ったご飯の準備をし始めた。
土鍋の脇にレンゲとおしぼりとよそうためのおわんがある。
ユズがおしぼりを広げると土鍋のふたをつかんで開いた。
蒸気がモクモクと上がって炊きたてのご飯みたい。
蒸気に目を奪われたけど、土鍋の中もおいしそうな雑炊だね。
うん、どっちにしてもご飯だっていうツッコミはなしの方向でお願いします。

「どう? どう? お母さんがね、張りきって作ってくれたんだよ」
「うん、とってもおいしそうだにゃぁ」

無邪気に笑うユズもかわいい。
わたしはユズに精一杯に微笑み返す。
万分の一くらいの笑顔だけど少し位は伝わってくれたかな?
するとユズは控えめに、だけどうれしそうな感じが精一杯伝わる笑顔を返してくれた。
そのままレンゲを手にとって雑炊をおわんによそっている。
「はい」と言って差し出されたレンゲとおわんはわたしが持つには逆だ。
ユズは右手で中身の入ったレンゲ、左手でレンゲからこぼれそうな雑炊を受け止めるようにおわんを持っている。
わたしも右利きだからこれじゃ受け取れない。
それにレンゲがこっちを向いてるし……

「ユズ、逆じゃにゃいかにゃ」
「?」

わからないといった風にユズが小首をかしげて見せた。
わからないみたいだけど笑顔でレンゲを差し出してくる。
一旦状況判断してみよう。
ユズが雑炊をおわんによそってくれて、それからレンゲに雑炊をすくってわたしに差し出している。
そしてわたしに渡す気はない。
でもユズもお母さんが作ってくれたってうれしそうに言ってたし食べてもらいたいと思ってるはず。

「ツバサちゃん、あ~ん」
「にゃ? んぁ~」

ちょっと不思議に思ったけど考えるのをやめて促されたとおりに口を開く。

「はい」

すぽっ、とレンゲが口の中に収まった。

「んむ……!?」

反射的に口が閉まる。
味は濃厚、まろやかでおいしい。けど……

「……~~っ、はっふいひゃ~~~!?」

耳やしっぽの毛が逆立っていくのがわかる。
でもそれより深いことは何も考えられない。
口を大きく開けてレンゲが動かないようにそのまま後ろに脱兎。
行儀が悪いのはわかってるし、わたしだってほんとはこんなことはしたくないんだよ。
でもあっついんだもん!
すごくあっついもん!

「だ、大丈夫……?」
「~~っ、くひのなふぁは、あふっへいふぁいみゃぁ~~!!」

口の中に少し残った灼熱が暴れるせいでうまくしゃべれない。
目から涙が溢れそうだよ~っ
なりふり構ってる場合ではないのだけど吐き出すのだけは、それだけはしちゃいけない気がする。
でもそんなことを言ってるとおもちゃみたいにぐにゃぐにゃしてわたしの悶えを表現してるしっぽがおかしくなっちゃいそうだし、転げ回ってるわたしもどこか壁とかに頭をぶつけちゃうかもだよ。

「ゆーちゃん、お水持ってきたわよ~♪」

天使の福音がやって来たよ~っ♪
誰だか知らないけどありがとうございます!

「あら?」
「あ!」
「みゃ!?」

と思ったんだけど危なーい。
見ず知らずの人がフローリングとカーペットの間につまずいて転びそうになってる。
手に持ったコップもすべり落ちてる。

「こらこら」

見ず知らずの人の右腕が違う人の手に引っ張られた。
それによって見ず知らずの人の足が自然と前に出る。
けどコップが落ちちゃう!

「ユズ!」

ずっとあたふたしてたと思っていたユズがいつのまにか持っていたものを机に置いてすばやい動きでコップまで接近していている。
そしてそれをすぐさまつかむと、コップの口を今まさに落ちようとしている水達に向ける。

「やぁっ!」

そしてそのまま重力にあわせて動かして中の水と共に空中の水を回収する。
取れるだけ取ると床にぶつからないように遠心力を利用してこぼれないように持ち直した。
あ、遠心力っていうのは水の入ったバケツを振り回しても水がこぼれないっていうやつだよ。
取りきれなかった水がカーペットに染み込んでいく。
わたしは今のサーカスみたいなやり取りに、熱さも忘れて口の中にあった雑炊のかけらを飲み込んだ。
飲み込んじゃった。

「~~~……?」

案外口の中を通りすぎるとそんなに熱くもなかった。
……勘違い?

「うんにゃ、猫舌?」

舌まで変わっちゃうなんて……ねぇ?

「はい、お水だよ」

わたしは軽く首を縦に振ってコップに入った水を受け取った。
おかしな顔をしてたんだろうな……だってユズの顔もなんだか不思議なものを見たみたいに面白かったんだもん。
受け取った水を口に含む。

(冷たくて、きもちいぃ~)

やっぱり口のなか、舌だけが熱かったみたいでそれだけで落ち着いた。
さっきまで不思議な踊りを踊っていたしっぽもくたっとしているみたい。

「ごめんなさいね、ゆーちゃん」
「もう、いいよ~」

ほわほわとした視界のはしっこでコップを持ってきてくれた女の人がユズに謝ってる。
あれ、もう一人の人はどこに行ったんだろう。
とりあえず、わたしも挨拶しないと。

「あ、あの……」
「どうしたの?」

ユズに謝っているときにはわからなかったけど、いや、その前の行動を見るとわかるけどすごくほんわかしてる人みたい。
なんとなくいい匂いもする。
ぽーっとしてるといつの間にか頭の上に彼女の手があった。
やわらかく撫でてくれてて、くすぐったいや。

「あ、えっと」

でも、わたしも目的を忘れるわけにはいかない。

「ありがとうございました、ユズのお姉さん」
「ううん、どういたしまして」

なぜか抱きしめられた。
うん、なんだろう。
この人若いのにきもちいいよ。
でも、この人なんだかやわらかくて、あったかい。
眠っちゃいそう。

「もう、お母さんてばくっつきすぎ~!」

ユズがしびれを切らしたのか引き剥がしにかかる。
あれ、今なんとなく違う言葉が出てきたような。

「……お母さん?」

抱きしめられたままユズに尋ねる。

「は~な~れ~て~」

ユズも大変なようだ。

「ふふ、そうなの。私はゆーちゃんのお母さんなの」

むむむ~、とがんばっているユズを尻目にさらっと言ってしまう辺りマイペースな人だと思う。
でも「わかったわかった」なんて言って離れるんだから優しい人。

「ほら、早くご飯食べないと!」

ユズがちょっと不機嫌にぷりぷりとわたしを部屋の中へと押す。

「今度はしっかりと冷ますからね」
「あ、次は自分で……」

あれ、押す力が弱くなったような。
疑問に思ってユズを振り返る。
うつむいて今にも泣き出しそう。

「ふにゃ、ゆ、ユズ?」

不安になりながらも寂しそうなユズに話しかける。
返事がない。
気まずい空気が流れる。
いつの間にかユズのお母さんもいないし。

「じ、自分でやろうと思ったけど、ユズにやってもらおうかにゃ……?」

言葉が空を切った気がした。

(やっちゃったかなぁ)

沈黙していたユズが寂しそうな顔をあげる。

「いいの……?」

まだ不安が残る顔に答える趣旨なんて1つしかない。

「もちろん」

今度はうまく笑顔ができた気がした。
わたしを見つめる瞳がくらくらするくらいにまぶしく変わっていく。
その瞳が閉じられたかと思ったら、わたしよりもちっちゃなユズはするりと抱き付いてきた。

「ユズ……?」
「えへへ、お母さんばっかりずるいんだもん♪」

無邪気で無防備な彼女を引き剥がすことなんてできっこない。
いや、剥がす気もないけど。
だってやさしくて、体よりもずっと大きなあったかさをくれるんだから。
なんだか、わたしのしっぽが小さく動いている気がした。
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コメント

こんばんは。雪奈・長月です。
申し訳ないのなら、「つくもカップルッ!」をシリーズ化してください。



改めて読むと、これって・・・・・・ネコミミですよね?
そう考えると凄く癒されます。百合をこよなく愛す猫の神様と言っても過言ではないくらいですね。
エロスちっくな回答をするとすごくよがらせたくなるくらい可愛いですね。
今後。何かしらの形で、あられもない姿を晒す羽目になるのではないかと少し心配です。
まあ、可愛いと言ったら可愛いですけどね。
流石……「百合専門SS職人」や「神風切百合羽にゃんこ大明神」と呼びたくなるくらい、百合が得意な羽様。
オチも百合ちっくですね。
まあ、ほのぼのとしてますが。

では、雪奈・長月でした。

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